テレビを見ていたら、三菱自動車のCM。
「点検無料、初回車検、無料、だからEKワゴン買いました」というようなCMです。
今、どこもお客様の囲い込みに必死です。そのひとつの方法だと思います、
このCMを見ていて思い出しました。
中国の古典に出てくる「朝三暮四」の故事。
朝三暮四
これはどういう話かというと、
猿に「今日からエサは朝に三個、夜に4個やる」と言ったら猿が怒った。
そこで、「じゃあ、朝4個、夜に3個、これならどうだ」と言うと猿は喜んだ、という話。
「初回車検まで無料」という一見得なように思えるこのCMも全く同じだ。
人間のお客様を猿と同列に扱うのは失礼な話だが、現実に、この話にまんまと引っかかるお客様がたくさんいるからこの手のCMがはびこる。
実質は同じなのに表現を変える、順番を変えるだけで、得したように錯覚をするのです。
この人間心理をついたやり方。
「コンプライアンス、お客様第一主義、地球環境と声大きく言う名の通った大企業がやることか」と思うところですが、こんな声も大企業に勤める人達には負け犬の遠吠えぐらいにしか思えないかもしれない。
商売上は真面目があだになることもある
私はみなさんともう20年お付き合いをさせていただいているのですが、みなさん、ほんとうに誠実でお客様に良かれとと思いながら仕事をしているとつくづく思います。
しかし、そのことがお客様に伝わっていない、時としてその誠実さがアダとなって商売上は不利益になっていることもある、そんな風に思います。
日本には「横綱相撲」という言葉がありました(あえて過去形に)。私はこれは日本の素晴らしい文化だと思っています。言ってみれば強いものは弱いものに対して卑怯な手は使わない、ということです。
相撲の世界では今この横綱の品格問われていますが、ビジネスの世界ではとっくにそんなことはなくなっていて、大横綱である大企業が、なりふり構わず、立ち合いで飛んだり、けたぐりをしたり、です。
こんな状況の中、零細事業者である私たちが、大企業相手に横綱相撲を取っていては勝つのは難しいでしょう。
もちろんその心意気はよしだと思います。そんなところが私は大好きなのですが、
しかし、現実は厳しい。
奇襲戦法の一つや二つ考えてみませんか?
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